コント 『Judgment』
ガードマン ・・・
男 ・・・
女 ・・・
明転
ガードマンが笛を吹きながら誘導棒を振っている。
それは段々エスカレートしてダンスのようになったり、おかしな動きになっていく。
ガードマン「ピピーッ」
SE/車の事故の音
ガードマン「ピピッ・・・(驚く)」
SE/車のドアが開き、閉まる音
ガードマン「ピピピ・・・(動揺)」
女、入場
女「ちょっと!何なのよ今のあんた!」
ガードマン「ピー・・・」
女「今あんた何がしたかったの?」
ガードマン「ピー・・・(さぁ・・)」
女「止まれだったの?進めだったの?」
ガードマン「ピーピピピー・・・(弁解)」
女「なに言ってんのかわかんないわよ!」
ガードマン「ピーピピー(すいません)」
女「だからそれ止めなさいよ! (事故の相手に)ちょっと降りてきなさいよ!」
SE/車のドアが開き、閉まる音
男、入場
男「おい!おまえどうしてくれんだよこれ!おまえがおかしな誘導するからこんなことになっちゃっただろうがよ!」
ガードマン「ピーピピー(すいません)」
女「あっ・・・」
男「あっ、なんだよあんたかよ・・。」
女「なに、馴れ馴れしくあんたとか言わないで」
ガードマン「ピピッ!?(知り合い?)」
男「なんだよ」
ガードマン「ピピピ!?(知り合い?)」
女「そうよ。そこのマンションの隣人よ。最悪の。」
男「それはこっちの台詞だよ」
女「はぁ?あんたのせいでこっちは迷惑してんでしょ!毎晩毎晩夜中にでかい音で趣味の悪い音楽聴いて!うるさいったらありゃしないわよ。」
男「趣味の悪いは余計だよ! あんたのその服の方がよっぽど悪趣味だと思うぜ」
女「はぁ?」
ガードマン、女の服装を見定める
女「・・・なによ」
ガードマン「ピピー、ピッ!(男の勝ち! 誘導棒を男の方へ揚げる)」
男、よしよしっ、と頷く。
女「ちょっと、何なの今の」
男「誰が見てもあんたの趣味疑うってことだよ」
女「あんたにそんな事言われたくないのよ! あんたが同棲してる女、なによあれ。ぶっ細工な顔しやがって、ほら見てみなさいよあの助手席に乗ってる女(ガードマン、見る)、あー不細工、なによあの顔、質の悪い人工芝みたいじゃない」
男「なんだとぉ!」
ガードマン「・・・(男の発言を待つ)」
男「そんな事言うならな、お前のとこの亭主はなんだよ。バカみたいに筋肉ばっかり鍛えやがって、ああいう奴がスポーツクラブにいるとえらい迷惑なんだよ。これ見よがしに素っ裸でウロウロしやがって、我がもの顔でロッカールームの鏡の前をずっと占領してんだよ!気持ち悪い。」
女「はぁ!?」
男、女、自然とガードマンの方を向きにジャッジを仰ぐ
ガードマン「ピピーッ、ピッ!(女の勝ち)」
女、ふっ、という風に腕を組み顎を突き出す。 男、悔しがる。
男「あのなぁ、おれの彼女はああ見えても現役で東大文一なんだよ。」
女「それが何よ」
男「因みにあんたのところの、いつもチンコばっかりいじってるクソガキはそこの本屋でエロ本ばっかり立ち読みしてるの知ってたか?本屋のおやじに煙たがられてるぜ。」
女「はぁ・・・そんなの出鱈目よ!」
男「嘘だと思うんなら今から確かめに行ってもいいぜ」
女「・・・ふっ(悔しがる)」
男「どうだ!?」
ガードマン「ピピッ!(女を促す)」
女「じゃあ言わせてもらうけどね、あんた・・・ワキガだよ」
男「え・・・」
ガードマン「ピー・・・(鼻を摘む)」
男、女、自然とガードマンの方を向きにジャッジを仰ぐ
ガードマン「ピピーッ、ピッ!(女の勝ち)」
女、よしっ、という風にガッツポーズ
男「くそぅ・・・」
女「自分じゃ気づかないのよ」
ガードマン「ピピピッ!(男に、さぁ頑張れ)」
男「よぉし、もうこうなりゃばらしてやるよ」
女「なにをさ」
男「あんたな、いつも近所の主婦連中と駅前の喫茶店で散々しゃべってんだろ。」
女「それがなによ」
男「会計の時に財布だけ見せといて結局一回も自分が払ったことないだろ!」
女「うっ・・・」
男「おばちゃん連中は、一様に自分が払うって主張し合うんだ。あんたはそれに便乗していつも支払いをしない。」
女「皆さん私よりも年上だから・・・」
男「それだけじゃないぜ。そんなことしてる割には、パチンコにハマってるだろ! パチンコ屋で落ちてる玉を拾って店員に注意されていたところを見ると、おそらくは負け続けてるんだろう、この前ほのぼのレイクに入って行ったところを見たぞ!」
女「くそっ・・・」
ガードマン「ピピピー・・・(女に、いけませんね)」
男「事前にしっかりチェックしましょうバカヤロウ!」
ガードマン「ピピッ!(女に、負けるな)」
女「じゃあこっちだってばらすわよ」
男「なんだよ」
女「あんた昨日ピザ食べたかったんじゃない?」
男「・・・食べたかった。何でそんなこと知ってんだ?」
女「ピザ屋があんたの部屋の前で呼び鈴鳴らす前に、部屋番号間違えました、って言ってそのピザ、家で頂いたわよ」
男「あんただったのか!」
女「何度も注文したらしいわね。その後待ち伏せして二度ほど同じことを繰り返させてもらったわ。」
男「確かに、結局三回注文したけど一度も家にはピザが来なかった・・・。」
女「おかげで家族全員分頂きました。クーポン使っててくれてありがとう、すごく安上がりだった。」
男「くそぅ・・・、半年かかって貯めたクーポンだったのに・・・。」
女「頭の中が完全にピザになっていたはずの昨日の晩御飯は?」
男「ど、どん兵衛・・・」
男、女、自然とガードマンの方を向きにジャッジを仰ぐ
ガードマン「ピピーッ、ピッ!(男の勝ち)」
男、よしっ、という風にガッツポーズ
女「なんでよっ!」
ガードマン「ピピピピッ(それは反則)」
女「なに言ってるか分からないのよだから!」
男「なぁ、亭主にばらしてもいいんだぜ、今のこと」
女「じゃああんたが部分ヅラだって事も彼女にばらすわよ!」
男「!」
ガードマン「ピッ(?)」
女「あら、地雷だった?」
男「な、何でそれを・・・」
女「学生の頃そっち系の会社でアルバイトしてたことがあるのよ。だから一発で見抜けるの。ご愁傷様」
男「・・・」
ガードマン「ピピッ!ピピッ!ピッ!(男に、どうしたっ、やり返せっ)」
男「うるせぇんだよ!さっきからピッピピッピ!」
ガードマン、女「・・・」
男、走り去る
ガードマン「ピピーッ、ピッ!(女の勝ち)」
暗転
おしまい