コント『インタビュー』
インタビュアー 女 / 男
ハリウッドスター 男
通訳 女 / 男
●明転
インタビュアー板付き。
ハリウッドスターが宿泊しているホテルの応接室。インタビュアー、カメラに向かって喋っている。インタビュアーの後方には椅子が三脚。
インタビュアー「えー私は今、今週末から公開されます映画、『一緒にインポッシブル3』の公開セレモニーの為来日されております、ゴム クルーズさんの宿泊しているホテルに来ています。本日はなんと、この番組のためにインタビューの時間を作ってくれております。えー、もう緊張で朝から何も喉を通りません。実は私、ゴムクルーズさんの大大大ファンでして、昨日は全く眠れませんでした。うまく喋れるんでしょうか・・・。(スタッフから合図を受ける)えっ?来た?来たの?どうしよう・・・」
ゴム クルーズ、通訳とともに入場
ゴム「ハーイ ナイストゥーミーチュー (通訳に)ハジメマシテ オーライ!?」
通訳「イエス オーケーイ はじめまして。」
ゴム「(通訳に)オケーイ (インタビュアーに)ハジメマシテ(笑)」
インタビュアー「あ〜もうどうしよう、はじめまして。今日は忙しいところを本当にありがとうございます。私、田嶋リサと申します、よろしくお願いします。」
通訳「ハー ネーム イズ リッサ」
ゴム「ハァイ リッサ」
インタビュアー「あっどうぞお座りください」
通訳「シット ダーウン プリーズ」
ゴム「オーケー オーケー」
インタビュアー「えー、今日はお忙しいスケジュールの中お時間作っていただいて本当にあ
りがとうございます」
通訳、ゴムの耳元で訳している様子
ゴムは頷きながら聞いている
ゴム「・・・ノープロブレム ノープロブレム」
通訳「いいえ何も問題ありません。気にしないでください」
インタビュアー「ありがとうございます。私実はゴムさんの大ファンでして、昨日は一睡もできなかったんです(笑)」
通訳、訳している
ゴム「オーリアリー!? サンキュー ジャパニーズファン アー ベリーカーインド・・・(英語で喋っている)」
途中から同時通訳になる
通訳「本当ですか、ありがとうございます。日本のファンの方はすごく親切にしてくれるし、いつも熱心に応援してくれるので、僕も今回日本にまた来れたことがとても嬉しく思っています。」
インタビュアー「ありがとうございます。今回日本に来るのが7回目ということなんですが、ゴムさんは今回はどんなところに行かれたいですか?」
通訳、訳している
ゴム「イエー イエー ディスターイム アイル ヴィズィット トゥ キヨト・・・(英語で喋っている)」
また途中から同時通訳になる
通訳「そうですね今回の滞在では京都に行きたいと思っているんですが、私はお寺にすごく興味がありまして、ですから京都でゆっくり滞在したいと言ったんですが、スケジュールがとてもハードでゆっくりできなそうなんです。ですから浅草に行きたいと思っています。後はショッピングですね。妻にいろいろと買い物を頼まれてるからね。」
インタビュアー「そうですよね、スケジュールがすごくタイトだと思うんですけども。昨日の公開セレモニーのほうはいかがでしたか?」
通訳、訳している
ゴム「イエー ザ セレモニー ワズ ア ベリー エキサイティング ソー・・・(英語で喋っている。途中からジェスチャーや擬音も加わる)」
途中から同時通訳になる
通訳「昨日のセレモニーはとても盛り上がりました。私はボートで登場したんですが、会場にはファンの方々が沢山いて、私はその間をすごいスピードでくぐりぬけて行くわけです。そこで花火が何発も上がって私もびっくりしました。とにかく盛り上がりましたよ。」
インタビュアー「私もテレビで見てました。行きたかったんですけど仕事で行けなかったんです。」
通訳、訳している
ゴム「ノーウ ユー マイト ケイム」
通訳「それは残念でした。来るべきでしたよ」
インタビュアー「次は必ず行きます。もう仕事休んででも行きたいと思います(笑)」
通訳、訳している
ゴム「オーケーイ ユー シュドゥ ザットゥ」
通訳「今度とお化けは出たためしがないけどね」
インタビュアー「えっ?」
通訳「・・・」
インタビュアー「・・・?」
インタビュアー、スタッフの方を見る
インタビュアー「えー今日は、間もなく公開いたします『一緒にインポッシブル3』について今日は色々とお話聞かせていただきたいと思ってるんですが・・・」
通訳、訳している
インタビュアー「まずですね、今回が三作目ということになるわけなんですが、今回の作品の見所はズバリどの辺でしょうか?」
ゴム「・・・(通訳を聞いている)イエー ザ モスト インタレスティング ポイント オブ ディスムービー・・・(英語で喋っている)」
通訳「そうですね、今回の作品の最も面白いと思うところはまずやはりアクションでしょう。今回も殆どスタントなしで撮影したわけなんだけど、ビルからビルに飛び移るシーンがあって、そのシーンの撮影は非常に危険だったんだ。ワイヤーを胸に着けて引っ張られるわけなんだけど、ワイヤーワイヤー、胸に着けるワイヤーといえばブラジャーのワイヤーだけど、たまにサイズが合わないと妙にそのワイヤーが気になって嫌なんだよ。酷い時なんか痛みさえ覚える。でもまさかそこらで外して確認するわけにもいかないだろ!? 家に帰って外してみると、やっぱり痕になってるんだよ。僕はあの痕ができるのが嫌いなんだよ。痣みたいで痛々しいしさ。締め付けられるのって本当に嫌だよね。わかるだろ!?ただでさえ最近嫌なことばかりなのにさ・・・」
インタビュアー「(途中から唖然としている)・・・は?」
通訳「・・・」
インタビュアー、スタッフの方を見る
インタビュアー「そうですか・・・。えーと・・・、毎回独自の役作りをされるゴムさんなんですが、今回は役作りで苦労された点なんかはありましたか?」
通訳、訳している
ゴム「オー ノーノー ディスタイム ワズ ア・・・(英語で喋っている)」
通訳、訳し始めるのが早い
通訳「いいえ今回はその点に関しては特に苦労はしなかったです。監督と、キャラクターについて話し合っていたし、すごく2人のプランが合っていたからね。プランプラン、プランといえば最近どうしても許せない出来事があってね、付き合って5年の彼氏がいたんだけど、その彼と結婚式のプランを二人で決めている最中に、偶然その男の浮気相手の女性とバッタリ会ってしまってね、もちろん僕は相手が浮気していたなんて夢にも思わなかったんだけど、その男がその時、僕のことを友達だって言ったんだよ。その浮気相手に。信じられるかい?結婚式のプランを決めているのにだぜ。まぁ僕の方が浮気相手だったと言われてしまったんだけど。結局その男とは別れたよ。今でもその傷はまだ癒えてない。何もかも嫌になってる。」
インタビュアー、途中から困惑してスタッフの方をチラチラ見たりしている。
インタビュアー「・・・あ・・・えーと・・・」
通訳「・・・」
ゴム「・・・?」
ゴム、インタビュアーの様子が気になって通訳に何か訊く
通訳「僕の話しつまらなかったかな?」
インタビュアー「え?いやいやそんなことないんです。・・・あの・・・ゴ、ゴムさんが・・・おっしゃってるんですもんね!?」
ゴム、通訳に何か訊く
通訳、ゴムに何か囁く
ゴム、ちょっと機嫌を損ねた様子
インタビュアー「あの、今のは訳さなくてよかったんですけど・・・」
インタビュアー、スタッフを確認。続けろ、の合図を確認。
インタビュアー「えっと・・・、今回の作品は、最先端のコンピューターグラフィック技術を駆使したシーンがいくつかあるということなんですが、そのコンピューターグラフィック部分のシーンの撮影はいかがでしたか?」
通訳「・・・(訳そうとしない)」
インタビュアー「・・・えっと・・・撮影はいかがでしたか?」
通訳「・・・(訳そうとしない)」
インタビュアー、スタッフを確認
インタビュアー「あの・・・訳していただけますか?」
通訳、ゴムの耳元でひと言
インタビュアー「短くないですか?」
ゴム「・・・ノーウ ユー シュドゥントゥ」
通訳「止めた方がいいです」
インタビュアー「何をですか?」
通訳、訳す
インタビュアー「あの、ですから今のは・・・」
ゴム「オーウ・・・ スイマセンデシタ」
インタビュアー「何でゴムさん謝ってるんですか?」
インタビュアー、スタッフに救いを求める。
(口パクで)どうしよう・・・ 何度か頷く
インタビュアー「あの・・・ちゃんと訳していただけますか?さっきの質問を・・・」
通訳「そうですね、コンピューターグラフィックの撮影は・・・」
インタビュアー「まだゴムさん何も言ってないですよね!?」
通訳、ゴムの耳元で何か言っている
インタビュアー「だから今のは訳さなくても・・・」
ゴム「オケーイ・・・ (席を立つ)スイマセンデシタ バァイ」
ゴム、退場
インタビュアー、通訳と2人になってしまう
インタビュアー「えっ?ちょっと・・・あの・・・ なんて言ったんですか今?」
通訳「・・・はぁ・・・ほんとに・・・インポッシブルでしょ!?・・・だって5年も・・・」
インタビュアー「さっきの話って、途中から・・・」
通訳「ほんとにインポッシブル・・・はぁ・・・もう帰ってよ!」
インタビュアー「え・・・」
インタビュアー、スタッフに救いを求める。
(口パクで)どうしよう・・・
●徐々に暗転
おしまい