コント 風物詩

 

 

 

キャスト

 

カップル/男  伊達 隆志 

 

カップル/女  乙女

 

どざえもん/男 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幕前

●SE/波の音

●SE/伊達のNA

「僕らはその日初めての遠出をした。これから沢山の思い出を綴っていく2人のアルバムの1ページ目に相応しい、素敵な一日の筈だった。そう、あいつさえ居なければ・・・」

 

カップル、下手より入場

海水浴の帰り道

 

伊達「今日は楽しかったね」

乙女「うん。やっぱり人多かったけどね」

伊達「おいおい、きっと混んでるよ、って言ったのに、それでも行きたいって言ったの君だぜ」

乙女「えへ。そうだったっけ?」

伊達「こいつぅ、調子いいんだから」

乙女「でもそんなところも好きなんでしょ!?」

伊達「()まいったなぁ」

乙女「ねぇ、帰りなんだけど」

伊達「ああ、おれ運転大丈夫だよ」

乙女「そうじゃなくて・・・」

伊達「なんだよ」

乙女「知らないの?駐車場の近くの県道、出るって有名なんだよ」

伊達「そうなの?」

乙女「怖い〜」

伊達「大丈夫だよ。でも乙女ちゃんって霊感あるの?」

乙女「ううん。ないよ。隆志くんは?」

伊達「おれ実はあるんだよ。たまに見えちゃう時もある。でも知らん振りすれば大概は大丈夫だから」

乙女「え〜、見えるの?」

伊達「たまにだよ」

乙女「見えても絶対言わないでよ」

伊達「なんで?」

乙女「あたしまで見えちゃったら嫌じゃん」

伊達「()わかったよ。」

 

2人、歩を進め上手の方へ

 

乙女「ねぇ、やっぱり怖い〜(手を繋ぎ、伊達に甘える)」

伊達「・・・大丈夫だよ。・・・その手、放すなよ。」

乙女「うん。」

 

2人、見つめ合っている

●SE/伊達のNA

「彼女を失うくらいなら死んだ方がマシ。マジでそう思った」

2人、上手に退場 幕開く

舞台上手後方にどざえもんが濡れた服を着て立っている

2人、上手より入場

 

伊達「じゃあ今度サーフィン教えてあげるよ」

乙女「教えてー」

伊達「あ・・・」

どざえもん「ぼくどざえもんです!」

乙女「・・・どうしたの?」

伊達「・・・」

乙女「ねぇ・・・」

伊達「なんでもない」

 

伊達、乙女を連れて行こうとする

憑いて行こうとするどざえもん

 

どざえもん「ぼくどざえもんです!」

伊達「分かってるよ!」

乙女「え?」

伊達「え?」

乙女「何が?」

伊達「・・・あぁ、なんでもない」

乙女「何が分かってるの?」

伊達「ううん、独り言。あのさぁ、先に車行っててくれる」

乙女「え?・・・でも・・・」

どざえもん「ぼくどざえもんです!」

伊達「うるさい!」

乙女「え?」

伊達「ちがう。なんでもない」

乙女「あたし、ひとりじゃ怖いから・・・」

どざえもん「ぼくどざえもんです!」

伊達「だからうるさい!」

乙女「わかった・・・」

伊達「あ、違うよ・・・」

 

乙女、下手に退場しようとする

どざえもん、それを追いかけようとする

伊達、それを制するようにどざえもんをひっぱたく

どざえもん「痛っ」

伊達「誰だよお前は」

どざえもん「・・・ぼくどざえもん・・・」

伊達「わかったよそれは」

どざえもん「・・・見えちゃいました?」

伊達「見えたから話してんだろ」

どざえもん「あ、なんだか圧力的だなぁ・・・あなた位の年頃は・・・そうか反抗期か・・・ それともどざえもん狩りか・・・」

伊達「どうでもいいよそんなこと! お前よ、憑いてくんなよな」

どざえもん「いや、憑いてくんなって言われても・・・」

伊達「大体お前なんでそんなにはっきり見えるわけ?」

どざえもん「あ、でも声かけてもらったのは初めてですけど」

伊達「なんでドラエモンの台詞パクってんだよ」

どざえもん「パクってないっすよ!」

伊達「パクってんだろどう考えても!」

どざえもん「だって僕は、どざえもん、って言ってるんすよ!向こうはドラエモンじゃないっすか!」

伊達「それをパクってるって言うんだよ!」

どざえもん「そうなんすか!?」

伊達「そうだよ!なにキレてんだよ」

どざえもん「だってパクってるなんて言われたの初めてだったから」

伊達「ていうか声かけてもらったの初めてだったんだろ。」

どざえもん「それはそうですけど!」

伊達「だったらそう言われるのも初めてだろうよ!なんでキレてんだよ!」

どざえもん「じゃあなんて言ったらいいんすか」

伊達「そんなことおれに訊くなよ」

どざえもん「だって先輩の谷中さんがお前はそれでいくようにって言うんすよ」

伊達「知らねぇよ谷中さんは!おれの言ってるのは、パクるのがよくないって言ってんだよ!」

どざえもん「駄目すか?」

伊達「駄目だよ!」

どざえもん「でもおれの方が先なんすよ、奴より」

伊達「だったらパクってねぇよー!」

どざえもん「おれ昭和40年からこれ言ってんすよ。だから奴より4年早いんすよ」

伊達「知らねえよドラエモンの歴史は!それよりそのことを初めに言えよ!今までの会話は

全部無駄に終わったよ!」

どざえもん「まぁまぁ、時間はいくらでもありますから」

伊達「おまえはな! おれは早く彼女のとこに行きたいの! さっきお前のせいで機嫌悪くしちゃったから!」

どざえもん「じゃぁもう行ってください」

伊達「言われなくても行くよ」

 

伊達、行こうとする

どざえもん、憑いていこうとする

 

伊達「だから憑いてくんなよ!」

どざえもん「いや、どうぞお構いなく」

伊達「お構いなくじゃねえよ!」

どざえもん「すぐ帰りますから」

伊達「来客か!」

どざえもん「ちょっと肩を重くしたらすぐ帰りますんで」

伊達「だからいいよ憑かなくて」

 

乙女、下手より入場

 

乙女「ねぇまだ? ・・・やっぱひとり怖い・・・(伊達に甘える)」

どざえもん「じゃあ彼女の方にっ、と・・・(乙女に憑く)」

伊達「離れろよ!」

乙女「え?あ・・・ごめん」

伊達「え?違うよ君のことじゃない」

乙女「・・・」

伊達「あの・・・違うんだよ・・・」

どざえもん「・・・あたしもう帰りましょうか?」

伊達「早く帰れよ!」

乙女「分かったわよ。そんな風に思ってたんなら、気を持たせるようなことしないでよ。隆志君のこと解んない(泣く)。それともあたしのせい?何か嫌われるようなことした?」

伊達「いや君のせいじゃないんだよ」

どざえもん「あーあ・・・泣かせちゃって」

伊達「おまえのせいだろうが!」

乙女「そう・・・。なら謝るね。ごめんね」

伊達「いや、ちが・・・」

どざえもん「ほら、ハンケチ」

伊達「(ハンカチを乙女に渡す)ごめん、全部誤解なんだけど・・・」

 

どざえもん、肩を落とす伊達を慰めるがごとく、伊達にくっつく

 

伊達「濡れるからやめろよ!」

乙女「もういい!からかうのもいい加減にして!(伊達をビンタ)」

 

乙女、下手に去る

 

伊達「・・・」

どざえもん「・・・(伊達の肩を抱く)河にはまだ他の魚が・・・」

伊達「うるせーよ!」

どざえもん「・・・私の記憶が確かなら、さっき彼女を失うくらいならなんとやらって・・・。いやね、この近くにいい自殺スポットならあるんですよ。私もそこでしたしね。・・・どうします?」

伊達「・・・行こう」

 

伊達、どざえもん、上手に退場していく

徐々に暗転

 

 

 

 

 

おしまい